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今期のWBU 執行委員会は、カナダの首都オタワで開催されました。
理由は、ホスト団体であるカナダの盲人協会(CNIB)が百周年を迎えたからです。
CNIBは当初よりWBUの常設事務所を置いてくれている団体です。
百周年ですから、設立は1918年。
傷病帰還兵が障碍者運動のきっかけとなった国が多く、カナダでも帰還兵5名と健常者2名の7名で立ち上げました。
第二次大戦で更に傷病兵が増え、社会の認知も上がり、今では本当に大きな組織となりました。
点字図書館は当初から立ち上げていますし、カナダで最初にアイバンクを立ち上げたのもCNIB 。
ちなみに、マラケシュ条約批准の記念すべき第20か国目はカナダです。
既にオーストラリア等からアクセシブルな書籍のリクエストを7000件以上受けていて、共有化も出来ているとのことです。
百周年を記念し、写真のようなマグカップと毛糸の帽子を作りました。
WBUの会議参加者全員にもプレゼント。
熱帯の国の盲人協会では決して作らないグッズでしょう…
会議期間中に記念レセプションも開催されました。
歴代活躍された人たちが列席。
登壇した人の中には、シドニーとアテネのパラリンピックでの女子ゴールボールのメダリストがいたり、カナダ先住民の視覚障害女性が独自文化での歓迎をしてくれたり。
当事者のシンガー、テリー・ケリーさんのパフォーマンスもありました。
ややカントリー調のポップスですが、ストレートに視覚障害を取り上げ歌い上げます。
ルイ・ブライユ生誕200周年に書いた、ブライユへの感謝を込めた歌も。
カナダの食べ物は味が穏やかで、国全体に緑が大変多く、英語の響きが優しく、物価も米国より低く…
飛行機のCAの皆さんも、どこかリラックスしていて、ウィットに飛んだアナウンスをしています。
寒がりの方には厳しいかも知れませんが、それ以外は本当によいところ。
ご興味あれば、是非カナダにお出かけください。
WBUで広報を担当しているテリーさんが先ごろ、WBUのYouTubeチャンネルを開設しました。
以下がリンクです。
https://www.youtube.com/channel/UC3yNe9BFeSSRUbts1YJALuA
今開けると…
まずは新たに常設事務所のCEOとなったホセさんの英語とスペイン語のメッセージ。
地域協議会会長各位
北米カリブのチャールズさん
ラテンアメリカのボルミールさん
アフリカのヤオさん
欧州のウォルフガングさん
アジアのSKさん
そして私も動画メッセージを出しています。
支援NGOであるCBMのラースさん
AP理事のアップルさん
WBU第1副会長のフェルナンドさん、こちらも英語とスペイン語で
WBU第2副会長でルワンダのドナティラさん
国際視覚障碍者教育会議(ICEVI)常務でインドのマニさん
アンティグア・バーブーダの国連大使を務めるオーブリーさん
等々
未だチャンネル自体の工法が始まったばかりなので、登録者が少ないのですが…
機能が利用できる方は、是非登録をお願いします。
台湾の対岸辺り、ウーロン茶でも有名な福建省の福州が、今年のマッサージセミナーの会場でした。
人口は1200万人、福建省全体では3800万人。
これでも中国的には、物凄く大きな町とか省とかではないのですよね…
セミナーの会場は、恐らく私にとり最初で最後のシャングリラ・ホテル。
しかも、応接室で格式ばった挨拶が必ずある中国。
どんな応接室なのか、実は出かける前から緊張していました。
これで、宿泊費などは例年と大差なく。
実は福建省から大会に百万元は助成金が出ていたそうです。
福州からも補助が出ていたようで、流石です。
帰りに空港に向かうのは、黒塗りの公用車。
運転士も政府付きの方。
ちょっと日本では考えられない?
IT大国ぶりも、見せつけられました。
写真は開会式で挨拶する様子です。
この後ろには大きなスクリーンが3枚くらいあって、中央は登壇者のアップ、左右はプレゼン資料が、鮮やかにダイナミックに映されていました。
2007年に中国で会議をした時は、私が中国語で挨拶した直後にマイクのトラブルとなり、冗談で切り抜けた思い出があります。
今回は、勿論、そんなものは無縁の大会でした。
夕食会で出たワインがとても美味しく、何処から輸入したのか尋ねると、国産とのこと。
福建省より少し北の地方で葡萄をを栽培しているそうです。
失礼しました…
参加者は、香港や台湾を含む中国を始め、モンゴル・韓国・日本・フィリピン・タイ・ベトナム・マレーシア・ミャンマー。
同時通訳が、中国語・英語・日本語・ハングル…と、ここまではよくあるのですが、更にタイ語とモンゴル語まで!
モンゴル語通訳の人は、探すのに苦労したらしく、なんと台湾から海を渡って来てもらったそうです。
それも、みんな、プロの仕事。
これもかなりお金が掛かっている恥ず。
日本の公的部門や企業の皆さん!
是非もっとこうした障害当事者の国際協力にご支援ください…
現地にいると、忘れかけていた北京語の記憶が少しだけよみがえり、また勉強したくなりました。
女性差別撤廃条約、(CEDAW)にも、障碍者権利委員会のような専門家委員会があります。
ここに今般、スペイン盲人協会のアナ・パレスさんが、障害当事者として初めて、委員に選ばれました。
アナさんは今まで、障碍者権利委員会側で、障害のある女性や子供の権利を中心に活躍してきました。
民間企業にいても、障害の問題だけでは解決が不十分で、女性の問題の解決が不可欠と、個人的にも日々痛感しています。
また、障害分野で盛んに、一般の問題を語る際に障害の視点も入れるべき、という議論がされています。
が、中々メインストリームの団体との協働が理想通りするんでいるとは言えないのではないか、と。
アナさんの活躍に期待です。
WBU-APで長年一緒に活動してきたニュージーランドのマーティーンさんが今般、英連邦ということで、Queen’s Service Medalを受賞されました!
エリザベス2世のお誕生日に発表となったようです。
以下、受賞者の一覧がサイトに上がっています。
https://www.dpmc.govt.nz/honours/lists/qb2018-qsm#abel-williamsonma
マーティーンさんの障害分野での活躍は20年余りに及びます。当初はメンタルヘルスのカウンセラーでしたが、視覚障碍者支援サービス提供団体である当時のRNZFBで支援サービスのコーディネートに従事。2007年から今年の初めまで、マヌカウ市と、統合後のオークランド市で、障害分野の政策アドバイザーとして勤務。
現在はWBU会計ですが、国連アドボカシーネットワークという国連関連の活動を推進する人たちのネットワークを、AP域内で纏めてくれています。
マーティーンさんの強みは建物や移動のアクセシビリティで、先進国向け、途上国向けを問わず、知見はWBUの貴重なリソースです。
また、盲導犬ユーザーとして、盲導犬ユーザーの移動の権利に就いても熱心に取り組んでいます。
現在、オークランド市の障害に関する法律センターの議長を務めています。
自立生活サービスなど、活躍領域は多岐にわたります。
ニュージーランドの盲人協会でも副会長。
何時も好奇心いっぱいで、まっすぐで、お酒が強くて、暑がりでホテルの部屋が私には冷蔵庫みたいで…
とても大切な仲間です。
マーティーンさん、おめでとうございます。
これからも確りご活躍を!!
WBUの執行委員会でオタワを訪問しました。
その中で、カナダの視覚障碍者の政治参加を見せつけられたイベントを傍聴しました。
オンタリオ州の議会選挙を控え、候補者を立てている政党から候補者が3名、会議の会場にやってきました。
イベントの企画は、執行委員会のホスト役であるカナダ盲人協会(CNIB)です。
つまり、CNIBの呼びかけで候補者が集まったわけです。
オンタリオ州で日本の日常生活用具のようなAssistive DevicesProgram (ADP)というプログラムがあり、このプログラムの今後について3名からコメントが出ました。
新人なのでよく分からないが当事者の皆さんに教えてもらう、とか、資金の支払いに次官がかかるので手順を見直したい、とか、州の法人税を引き上げて財源を確保する、とか。
それに対して、視覚障害当事者が質問をします。
弱視から全盲に移行する時に一方しか危機が支給されないので困った
アップルのデバイスが対象外なのは枠組みが出来てから更新されていないからではないか
もっと選択肢を広げて欲しい
…
そして、これらのコメントを受けて、候補者がまたコメントを出します。
本当は政党がもう一つ、候補を立てているのですが、こちらからは誰も参加せず、問い合わせに返信も無かったようなので、余り福祉政策には関心の無い政党だったのでしょうか…
欧米の民主主義が私たちの一歩先を行っているところを、非常に身近な問題として実感するよい機会となりました。
日本の議員のみなさんも、こういう企画、いかがでしょうか?