世界盲人連合(WBU)は国連とともに、2019年3月8日の国際女性デーを祝います。今年のテーマは、Think equal, build smart, innovate for change.(平等に考え、スマートに築き、変化に向け新しいことを)です。ジェンダー平等と女性のエンパワーメントを進めるための新しい方法に焦点を当てます。特に、社会保障制度、公共サービスへのアクセス、持続可能なインフラに注目しています。国際女性デーは、視覚に障害のある女性も含めたジェンダー平等とエンパワーメントを進めるための記念日です。
視覚に障害のある女性は通常、複数の差別を経験し、人権やエンパワーメントを侵害されます。ジェンダー差別と障害の差別が重なり、視覚に障害のある女性はニグレクト、暴力、搾取のより高いリスクに直面しています。
最新のデータでは、世界の視覚障碍者の55%(1億3900万人)は女性とのことです。各国は、視覚に障害のある女性のニーズを謳い、教育・技術革新・雇用・リハビリテーション等の基本的権利と平等を守るべきです。
国連障碍者の権利条約第6条では、「締約国は、障害のある女性及び少女が複合的な差別を受けていることを認識し、また、これに関しては、障害のある女性及び少女がすべての人権及び基本的自由を完全かつ平等に享有することを確保するための措置をとる」としています。
また、国連持続可能な開発目標(SDG’s)のゴール5にあるように、ジェンダーの不平等により、女性の基本的人権や機会均等はまだまだの状況です。目標5では、「女性のエンパワーメントを図るためには、不当な社会的規範や態度などの構造的な問題に取り組むとともに、男女の平等を促進する進歩的な法的枠組みが必要です」としています。
WBUは各国に対し、女性一般、特に視覚に障害のある女性の権利を守り尊重して責務を果たすよう改めて呼び掛けます。
国際女性デーを迎えるにあたり、各国政府、国連機関、開発機関や市民社会に対し、夫々の開発計画やプログラムや政策で障害のある女性の権利のメインストリーミングを図るよう訴えます。
障害のある女性に対するあらゆる差別を撤廃し、ジェンダー平等やすべての女性の基本的人権を推進するために必要な規定を設けることを要請します。
女性の考えや経験が未来の社会を創造する新たな施策の立案と実施に対等に生かされることが重要です。