マカオの視覚障害者に就いては、以前簡単にご紹介しましたが、少し詳しい情報を改めてご紹介します。
視覚障害者の人数は、約1000人と言われています。
これは、マカオの社会福祉局の発表によるものです。
公共交通機関では、4番のバスという路線だけ視覚障害者にアクセシブルな交通手段となっています。
今年(2015年)中に、もう1路線アクセシビリティを実現する予定。
さて、全てのバスを視覚障害者が自分で利用できるようになるのは、何時になるのでしょう?
観光ガイドによると、実に60路線もあるそうですよ。
教育分野では、盲学校が無く、インクルーシブ教育一本です。
ただ、先生も、アシスタントも、ソーシャルワーカーも、カウンセラーも、視覚障害児の支援に就いてきちんと訓練を受けていません。
教育省が学習に必要な支援機器の手配を手伝ってくれますが、現実的には各家庭の経済状態によって調達できるものが限られたりします。
大学に通う視覚障害者は、ほんの若干名とか。
マカオ特別行政府の社会福祉局が発行する、日本で言うところの障害者手帳のような証書を持っていれば、公共の医療機関では医療費が無料になります。
また、障害者手当のようなものも幾らか支給されます。
就職率は低く、これといった雇用の決め手が無さそうです。
労働省も、視覚障害者の就労支援対策は殆ど実施できていません。
視覚障害者のスポーツ振興も余り熱心に行ってきませんでした。
しかし、WBUに最近加盟した自助団体、MPVIRPAの努力で、2013年12月、マカオ国際マラソンに視覚障害者と伴走者のペアーが5組、初参加を果たしました。
ランナーの皆さん、出かけてみては如何でしょう?
ちょっとユニークなのが、マカオの行政府が助成しているもの。
観光旅行やコンサート、食事券、交流事業、日用品を購入できる商品券のようなものに、財政支援をしています。
政治参加の面でも、2013年、初めて視覚障害者が議員に立候補を果たしました。
当選はしなかったみたいですが・・・
このように、ここ数年で少しずつ動き出したマカオの視覚障害者の社会参加ですが、MPVIRPAの貢献が大きいのだと思います。
で、この団体の紹介も改めて。
MPVIRPAはマカオで最初の視覚障害者とその家族による自助組織です。
2014年、WBUと一緒に、国際盲人スポーツ協会(IBSA)にも加盟しました。
理事の8割は当事者で、残り2割は家族。
アドボカシーに最も力を入れています。
ピアカウンセリングや家族向けカウンセリングなども積極的に行っています。
会長のアルバートさんは、とても有能な指導者です。
マカオの視覚障害者の状況、きっとよくなると思います。