香港のWBUAP中期総会には、国連開発計画(UNDP)アジア太平洋事務所のカズさんも来てくれました。
カズさんにお会いするのは、昨年5月のバンコクに次いで2回目です。
UNDPでは以前、HIVと製薬会社の問題で、支援活動に従事しておられたそうで、HIVで得た知見と経験を活かし、障害分野でもお役に立ちたい、そのきっかけとして、マラケシュ条約と著作権の問題がニーズもあり良いのではないか、というオファーを頂きました。
カズさんの事務所がバンコクなので、昨年5月にバンコクに行った時を利用することができ、大変良いタイミングでした。
更に、同じ年の後半に、香港中期総会があった、という訳です。
既に、UNDPとWBUAP、そして、UNDPアジア太平洋が南アジアもカバーしているので、ABUも交えて、メールが中心ですが話し合いが続いています。
プロジェクトの全体像も、何となく概要が出来てきました。
香港から先は、キャンペーンリーダーのニールさんが中心となって牽引してくれています。
情報アクセスは、インチョン戦略の中にも謳われており、こちらは既に国連ESCAP加盟各国が採択した指針ですので、国連ESCAPとも協力し、インチョン戦略と結びつけて、国連という立場から、市民社会と各国との協働のプラットフォームを作って行って欲しいというのが、私たちの考えているイメージです。
まずは、マッピングの調査から入ります。
条約の批准と実施のために必要な、各国の知的所有権等に関する法規制の改定に役立つよう、法律面の指針や実証を集めるのが目的です。
このマッピングの作業のために、専門家を有期でお願いする準備を進めています。
具体的にお願いする仕事は、次のような内容です。
・各国の著作権に関する法律や、刑法、障害に関する法律、図書館に関する法律などの関係法規制を集めて分析する。
そして、マラケシュ条約批准に必要と思われる法改正、追加、削除等の具体的な分野をリストアップする
対象の国は、WBUAP域内の中国、カンボジア、フィジー、インドネシア、モンゴル、ベトナム、そしてABUからネパールとしています。
・既に条約を批准したインドで行われた法改正を検証する
また、批准に向けて法改正の作業が現在進行形のモンゴルとタイの事例を研究する
この3カ国で実施された法改正や試みを検証し、他の国への教訓を導き出す。
・条約批准と実施に向けた法律面と政策面の議論に資するべく、報告書を作成する
報告書は、各国の政治家や図書館担当者を含む政府、開発機関を想定しています。
毎年秋に、北京で開催されます、情報アクセシビリティのフォーラムに、何らかの報告を発表しようということになっています。
報告文書が発表されましたら、日本の皆さんにも是非ご紹介したいと思います。