難民を助ける会でトルコにあるシリアからの難民支援に短期で入った人の話を聞く機会がありました。国連が用意した難民キャンプでは全く足りず、なけなしの現金でブルーシートを買って、柱を探して、それでテント代わりにしている人が沢山います。キャンプにいない難民の方がずっと多いようです。また、空き家のような所に大勢で住んでいる人も。その中に、泣いてばかりいるお母さんがいたそうです。お兄ちゃんは連れて逃げることが出来たけれど、肢体障害で車椅子に乗っている弟を一緒に避難させることが出来なかった。隣村がイスラム国に制圧され、その日のうちに逃げなければならず、移動の手段が無い弟を置き去りにしたのだそうです。それは、私たちが聞いても、弟さんの安否が本当に心配です。そして、子どもを置き去りにした母親の心痛たるや如何に・・・別の家族には、片脚を切断した男の子がいました。地雷を踏んでしまったそうです。お兄ちゃんもいたのだけれど、お兄ちゃんは地雷で命を落としました。国境に沢山埋められている地雷も、近くに住んでいる人であれば、何となく場所を分かっているのだけれど、シリアの国境から離れたところから避難してきた人にとっては、地雷のリスクは更に高いということです。ヨルダンやレバノンにもシリア難民が沢山来ています。総数は分かりませんが、欧州のNGOがインタビューした中には、視覚障害者が何百人単位でいます。難民の人たちが不安なのは、収入、住居、保健医療、食料等の生活物資の順番だそうです。障害のある難民は、それこそテントの外に出ることなどまず無いでしょう。仕事をする機会も、障害の無い人たちよりずっと後の話になってしまうでしょう。どんな政治思想や体制であれ、こんなにとてつもない悲劇や難民を生み、弱い立場の人たちを更に困難にする戦争は、決してやってはいけません。