WBU前会長のマリアンさんや、WBUAP会計のケビンさんを送り出しているオーストラリアが、WBUが頑張って産み出した著作権に関する条約、マラケシュ条約に署名したというニュースが来ました!
オーストラリアの視覚障害者は35万人とも言われていますが、先進国のオーストラリアでも、点字や拡大文字や録音図書になっている書籍は5%に過ぎません。
条約が実現すれば、認定を受けた団体が個人と直接、こうしたアクセシブルな形式の本の提供に踏み切ることができ、また国をまたいでアクセシブルな本の共有化が進みます。
マリアンさんも、オーストラリアが早々に批准をして歴史の立役者になれる筈だ、とコメントを出しています。
以下、マリアンさんの談話です。
「世界知的所有権機関(WIPO)でのWBU代表団を5年間に亘って率いてきた視覚障害者の私ですから、条約の意義はよく理解しているつもりです。
条約が成立して1年ほどになりますが、本日、オーストラリアが条約に署名し、視覚障害者にとってもインクルーシブな社会に向けて大きな一歩を歩みだしたと言えるでしょう。
情報へのアクセスは人権であり、情報を利用して意思決定や物事を選んだしするのです。
でも、視覚障害者のアクセスできる情報が極端に少ないので、情報が自由に取れる人たちと比べるととても不利な立場にあります。
条約批准で、納税者に負担は増えません。
でも、多くのオーストラリア人の利益に繋がるのです。」
マラケシュ条約は、WIPOの下での条約でありながら、著作権保持者より社会全体の利益を念頭に置いた条約という意味で、かなり珍しいようです。
この条約も、権利条約と同様に、20カ国が批准してから3ヶ月で発効します。
日本は、何時頃の批准になるのでしょう?
日本語の出来る視覚障害者とか、もっと日本語の本が読めるようになるでしょう。
かく言う私も、もっと英語や他の言語の本が読みやすくなるのを楽しみにしています。