北京を中心に活動する「ワン・プラス・ワン」という障害者団体の話を以前ご紹介しました。
http://wbuap.exblog.jp/19161995/
このNGOが、権利条約に関する「パラレル・レポート」作成に参加したと、先日お伺いしました。
「ワン・プラス・ワン」と一緒に報告作成に参画したのは、Enable Disability Studies Instituteという団体と、「友愛友楽」という障害児の親の会の2つです。
最後の団体は、中国語の簡体字では少し異なりますが、フォントの関係で割愛しますm(_ _)m
中国はかなり当初から、障害者の権利条約を批准しています。
正直、少し「??」なところがあります。
私の知っている範囲でも、一般の大学にすら中々入学できないで、一般の就職も数える程しか出来ていないのに、どうして障害者の権利を守る条約を遵守したことになるのか。
中国障害者連合会は、トウ小平の長男、トウ僕方氏が長年率いた、殆ど政府機関の一部です。
彼が車椅子生活になったのは、文化大革命の最中、紅衛兵の取調べを受け、取調室の3階から飛び降りたか突き落とされたかして脊髄損傷となったからなのですね。
中国の歴史は、本当に重いものがあります。
そんな障害者連合会は、全ての障害のある人向けの機関ですが、2006年辺りに、中国盲人協会が独立した組織となりました。
WBUでは可能な限り、視覚障害者独自の組織作りを奨励し応援しているので、この時は結構盛り上がりました。
中国やベトナムのような政治体制では、政府系の機関であることは、有利な場合もあるでしょう。
団体が考えることが、政府の意向に直結することに近いですから、進めやすい部分もあると聞いています。
選択肢が余り無いのも事実ですが。
私たちの願いは、政治体制の如何に関わらず、視覚障害者が平等に社会に参加し基本的な人権が守られることですから。
そんな中国で、NGOという立場で、権利条約に関する自国の報告を書くというのは、外国から見ていると画期的に思えます。
「ワン・プラス・ワン」のトップは車椅子の方で、秋に来日が予定されています。
中国のパラレル・レポートは、個人的に、自分の住む日本のレポートの次くらいに興味があります。