何を今更ですが、視覚障害に関するWHOの推計をご紹介します。
2010年基準です。
視覚障害者の総数の推計は、2億8500万人で、その内3900万人が全盲、2億4600万人が弱視。
しかし、改めて見ると、凄く大きい数字ですね。
世界の人口、70億人くらいでしたっけ?
24人に1人は視覚障害者という計算です。
途上国の医療が進歩し、先進国の高齢化が進んで、オフセットされるのが動向でしょうか。
視覚障害者の9割は低所得国に住んでいます。
80%の視覚障害は予防乃至は治癒可能。
具体的には、目の屈折異常が視覚障害の最大の原因ですが、全盲になる最大の原因は白内障です。
正に、予防乃至は治癒可能、ということですね。
その他に多い原因は緑内障。
他方、感染症による視覚障害は、ここ20年で激減したそうです。
きっとこれも、主に途上国での医療の進歩に起因するのでしょう。
世界の人口に占める50歳以上の人数は20%ですが、視覚障害者の65%が50歳以上です。
如何に加齢による視覚障害が多いか、です。
なぜか、全盲の66%は女性だそうです。
何か背景があるのでしょうか?
視覚障害児で教育を受けているのは10%以下です。
つまり、90%以上の視覚障害者は読み書きを学ぶ機会がありません。
先進国の視覚障害者も、全体として相応の雇用にあるのは25%のみ。
途上国は勿論、更に厳しい状況です。
上の数字から計算すると、先進国の視覚障害者が2850万人で、その内712万人がそれなりの就労にあることになります。
私のお邪魔したモンゴルやラオスだと、視覚障害者で仕事からそれなりの収入を得ていそうなのは、せいぜい1.5%くらいでしょう。
仮に途上国全体でも同様として計算すると、途上国の視覚障害者は2億5650万人で、その内働いているのが384万人。
総数では1097万人です。
あくまで仮の数字ですが、こうして書きながら、統計の大切さを実感しています。
実際に数字に出てくれば、客観的に説得力が増していきます。
それにしても視覚障害者で仕事で収入を得ているのが25人に1人というのは、悲しすぎます。