2016年6月、モンゴルでは総選挙が実施され、政権交代となりました。
新しい政権も障害分野の取組に熱意を持っていると聞いています。
ただ、これまで何年か、盲人協会が一生懸命、視覚障害に関する施策の話を政府の人たちに教えていたのに、総入れ替えとなってしまい、出直しか~という気持ちは否めない様子でした。
政権交代とはそういうものなので、ゲレルさんたち盲人協会の皆さんには引き続き頑張って欲しいです。
2016年2月、障害のある人の権利に関する法律がモンゴルに現れました。
それまでの社会モデルから権利モデルに転換、教育や雇用へのアクセスを確り謳っています。
法案を作る過程では、盲人協会初め障害のある人たちの積極的な参加がありました。
併せて、政府の中に、障害者協議会も立ち上がりました。
また、障害のある子どもの教育に関する法律も、法案が出来ているとか。
こうした法律面での基盤作りに関与しつつ、盲人協会としても学校で学ぶ視覚障害児支援を強化しています。
最近では、一般の学校で学ぶ視覚障害児への物的支援を実施。
拡大文字の教科書も作ったりしています。
教育分野の法律が実施に移れば、こうした事業に対し、政府から資金が拠出される可能性が出てきます。
これは大きいです。
中央でのアドボカシーを進めながら、能力開発も着実に進めています。
例えば、組織力が比較的弱い支部を集めたワークショップを6箇所で開催したり、歩行訓練士の追加研修を実施したり、国を東西に分けて夫々の地域での会議を実施したり。
3ヶ月に1本、テレビ番組を製作・放映しています。
中には、今年の1月、クルー一行が来日し、私も含め色々な人をインタビューして作った番組も流れたようです。
ゲレルさんに会った時、とても困っていたことがありました。
国際活動で活躍するためには英語力が必須ですが、モンゴルの視覚障害者が使える英語の辞書がありません。
オックスフォードの英語・モンゴル語の辞書があるのですが、モンゴルの出版社は英国に聞いてくれないと著作権のことが分からないと、受け合ってくれません。
モンゴルは既にマラケシュ条約を批准しているのに・・・
でも、英国は批准していません。
取り敢えず、英国とモンゴルの出版社との間の著作権の関係を調べる必要があるのかも知れません。