私が盲学校に通っていた頃は、学校の先生が色々な大学に門戸開放の交渉によく出かけていました。
上手く行って初めての点字・弱視受験が実現したところもあれば、敢え無く門前払いのところもありました。
私たちの頃は解放されていなかった門戸が、その後開放された学校もありました。
そんな積み重ねで、色々な大学への進学が、随分と一般的になったものです。
大学によっては、学内に障害のある学生を支援する部署があったりで、教科書のこととかまだまだ足りない点がありますが、それでも少しずつ前進してきたのだと思います。
2011年の12月に、上海で高等教育に関するセミナーがあり、発表に出かけました。
その時の様子を、東京ヘレンケラー協会の月刊誌「点字ジャーナル」に書いています。
記事リンク:
http://www.thka.jp/shupan/journal/201202.html#feature01
私がこの中国を是非入れたかったプロジェクトがありました。
これもラリーさんが講演会で紹介していたものです。
ASEAN諸国で、日本財団支援による、高等教育普及に向けたプロジェクトが走っています。
あいにく、中国は、ASEAN諸国と一緒にするには、少々大きすぎたようです(^-^;
2005年にインドネシアで調査したところ、視覚障害者が大学で本当に苦労している様子が浮き彫りになりました。
教材は無いし、試験はまともに受けられない、卒業に必要な単位を全て取るのは至難の業・・・
それで動き出したのが、このプロジェクトです。
まずはジャカルタとバンドンで、IT技術を使って視覚障害者が教材を利用できるようにしました。
それから、職員や教授陣、健常者の学生など、周囲の人たちへの啓蒙活動です。
学生のボランティア育成などもありました。
更に、国レベルでの大学に関する政策提言。
インドネシアのコーディネータは、2004年のWBU総会でお会いしたアリアさん。
とても堅実な仕事をする女性です(^O^)v。
やがて、フィリピン・ベトナム・カンボジアにも展開し、今年からミャンマーでも進めることになりました。
特にインドネシア・フィリピン・ベトナムでは、大学で学ぶ視覚障害者が100名単位でいるのが普通になりました。
当初は文学・教育・宗教などが主な専攻でしたが、数学や情報科学を学ぶ学生も増えました。
新しく始めるミャンマーでも、大いに成果を上げて欲しいです。